眼精疲労 - PCモニターの過剰な明るさ

もう30年近く前、初のPCがNEC PC-9821 Xa7e/S15(OS windows95)というものでした。

当時のモニターは、ブラウン管(CRT)で、乱暴に言うと巨大な電球を直接見るのと同じ感じで暗めの設定をしていながらも当時の性能的な面もあると思いますが、非常に目が疲れました。なので、付属の15インチモニターに、OAフィルターという薄暗い透明の板を画面の前に付けて、目の保護をしていました。

その次が、ダイアモンドトロンという三菱電機のCRT(17インチ)を使っていて、こちらは設定で画面をかなり暗くして使っていました。

そこから、液晶になり、インチアップして24インチ(BENQ GW2480 2017年発売B.I.有り)に至り、標準的なサイズで移行してきました。

CRTから液晶に変わって、目を突き刺すような(当時だったはず)バックライトからかなり負担の少ない液晶バックライト(初期の蛍光灯みたいなものからLEDに変更)になって、目を保護するため画面を暗くするということの優先度が下がりました。

もちろん、今のモニターも使用開始時、好みの色味(BENQのデフォルトは青みが強くかなり違和感)に変更しましたし、輝度も多少下げました。

この状態で、自分の使いやすように使っていました。

視力状況としては、運転時メガネは今のところ不要、乱視がある程度入っており裸眼だとかすみ目で左右にぼやけています。デスクトップのゴミ箱アイコンがワイドに見え、メガネをかけるとスリムになりはっきり見えます。

大学時代に、黒板の文字が読み取れずメガネを初購入した思い出があるので、それほど変わっていないということになります。

乱視のため、文字が読み取りづらい傾向があるので、画面を近めにして使っていました。画面からデスク端まで40-45cm。

この状態で、2-3時間集中して画面を見る作業をすると、眼精疲労で画面から離れるとピントが合わず、目が疲れ切っていて仮眠に近いものが必要になります。

これが辛くて、原因は乱視によるもの、年齢的なものを考えていたのですが、モニターメーカーの推奨視聴距離は50cmというのを知って、離したところ、効果があって疲れにくくなりました。

ということで、大事なのは距離なのかなと思ったのですが、画面の明るさを下げて少し暗めにしたところ、これまでのモニターの傾向からも「明るさ」が疲労の原因となっているようです。

モニター距離は、光が距離に応じて「光の減衰の法則逆二乗の法則)」で大きく減退するので、少しの距離の違いでも目の負担が大きく違ってくるというのが影響しているようです。

モニターの最新の目の保護機能、例えばBENQのアイケア機能があります。各社、その機能を競って搭載していますが、その中の輝度自動輝度調整機能は初期設定でOFFになっています(フルリセットで確認)。

夜暗いと相応に画面の明るさを下げる(輝度自動輝度調整)は、完全自動では無い気がします。

個人により、好みの色味、暗さがあるので、半自動で、それらを手動選択(これはアイケアの項目の中から、おおまかプリセット4候補の中から選ぶということになり、詳細設定はできなくなります)で設定してもらってあとは自動で調整しますという仕組みでないと成り立たないと思います。しかも、初期ではOFFなので使っていない場合は多いと思われます。

つまり、初期設定で、完全手動で詳細調整(プリセットのモード切替も含めて)するというのもできますが、最近だと、輝度自動調整機能をONにして大まかなプリセット候補の中から好みのものを選ぶだけという使い方が主流となっているようです。おそらくこれで、画面が明るすぎるという問題は起きないと思います。

ちなみに、モード切替は「マルチメディア(1番)>ネットサーフィン(2番)>オフィス(3番)>閲覧(4番)」という順番で黄色みが強くなり柔らかい印象になります(青っぽい→黄色っぽい、昼光色→昼白色→電球色と同じ)。2番めのネットサーフィンを使っていて、目に優しい方が良いからもう一段下げてオフィスを試したのです、黄色みが強くこれは無いなと思ったのですが、すぐに目が慣れて(もしくは自動調整で)気にならない・わからなくなったので、とりあえず全部しばらく使って試してみるのが良いと思います。

どうも、モード切替時、初期だけ明るさ全開で色味をわかりやすくしており、決定後、輝度を落としているようです。青色っぽい方が、鮮明ではっきりした印象ですが目が疲れる気がします。黄色っぽい方が、暗めの印象ですが目が疲れない印象です。どちらにしろ輝度が大事なようですが、中間からどちらかに寄せた2番か3番がバランスよく汎用的で無難です。昔、他のモニターを使ってから、自分のモニターに戻ると画面の暗さの違いに驚きましたが、当時ほど暗くはなくとも、自分以外気にする人はいないので自分が最も快適な設定で良いと思います。

ということで、眼精疲労の対策★優先順位★として

1.画面の明るさを少し暗めにする。(輝度自動調整でも可)

2.視聴距離をメーカー推奨の50cm確保する。(適宜、手前に動かすのは可)

3.高さ調整機能で、首が下がりすぎない負担の少ない角度を見つける。(首疲労?)

ということになると思います。

ちなみに、エアロバイクPCでは、無調整の結構明るい27インチモニターを使っていますが、ペダル漕ぎで上半身が軽く動いていること、距離が50-60cmは確保できているので目が辛いという気配は全くありません(輝度自動調整機能をONにすると暗くなった印象なのでかなり明るかったようです)。

よくある失敗としては、メーカーとしては明るい画面でないと印象が悪いので初期設定ではかなり鮮明で明るい状態(輝度75)になっています。これを標準と思い込んで、アイケアの項目は確認せず、色味や明るさを少し落とす調整だけやって使ってしまうと目が疲れてしまうようです。

(最近のクイックスタートの説明書だけだと、アイケア設定ONの必要がわからないし、惰性で昔からの手動調整をしてしまう都合、結構起きうる状況だと思う。)

(輝度自動調整機能のない旧製品では)手動で意識して明るさ控えめ輝度50前後にするかなく(ちなみに初期輝度設定は100)、自動調整機能があればONにして明るさ控えめの候補を選ぶかしないと疲れないモニター調整としては失敗となるようです。

アイケア機能は結構前からあるのですが、そのなか加わった輝度自動調整機能(ブライトネスインテリジェンス(B.I.))は最近のモデルにしか無いそうです、モニター前面に光センサー部があるのが特徴。

2015年発売のBENQ GW2470というモニターにもアイケアというロゴがあるのですが、自動調整の部分が機能しておらず調べるとHDMI接続だとPCが自動で最高画質を出力するので自動調整(これは何を自動調整するのかはっきりしない)は機能しませんと注意書きがありました。輝度自動調整機能は無いので、設定された画面の明るさを周りの明るさに関係なく保ち続ける従来の仕様のようです、この状況では夜の使用を考慮して暗めの設定にするということになります。モニターは4-5年でモデルチェンジしますが、機能的に地味に進歩しているので(電子機器は全般)最新のものが良いんだなというのがわかりました。

2017発売のGW2480には輝度自動調整があり、この辺りから普及していると思われます。また、2024年でモデルチェンジが有り、GW2490Tが最新モデルです。

眼精疲労の殆どはPC作業だと思うのですが(超長時間・特殊な仕事を除いて)、モニターを明るくしすぎないというのは、普遍の知識として今後も活きると思います。

モニターの大きさ、メガネなどの対策は、この基本の先にあることになるようです。

しばらく、輝度を落として使ってみたところ、目が極度に疲れないし、少し見やすくなった気がします。少なくとも、落としたことで困ることは今のところありません。

 

(眼精疲労と医療情報)

【医師監修】眼精疲労は治せる?正しい対処法を解説 | メディコレNEWS (medicolle.jp)

眼精疲労の医者による対策で、画面の明るさを控えめにしましょうというのはなかったです。

疲れ目とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介 - 眼とメガネの情報室 みるラボ (mirulab.jp)

部屋を明るくしましょうという話が、意図的なものに読めます。

職場環境での疲れ目について書かれた情報で、画面を暗めにとは書かれていません、昼間室内が明るいときは明るく、夜間暗いときは暗くというのが理想的になるので輝度の自動調整は必須の機能というのがわかります。

このあたり、実際画面調整で実感してもらえれば成否がわかると思います。

対策後、夜使っていて、ブログの編集画面の黒文字白背景だと相変わらず目に悪いんじゃないかと思うのですが、目の疲労の蓄積が小さく思いの外、疲労していないという感じになります。

光の関係だと、目の瞳孔が光量調整(無意識)しているので、明るいときは絞り、興奮状態だと開き切るというものがありますが、眼精疲労とどう関係するのかまでは知識がなく言及できません。なんとなく想像するに、見たいものに合わせてピントを調整する筋肉と瞳孔を調整することで目に入る光の量を調整する筋肉の2つがあり。

画面が暗めだと、光の量を調整する筋肉を酷使(絞ったまま固定)する必要がないのでそちらの緊張(筋肉は弛緩と緊張で動く)が無い分、目が楽なんだと思います。

ピント調整のほうは従来のままなので、これまで通り疲れますが、重さがないというか、無意識で緊張し続ける瞳孔の存在がなくなるのが違いだと思います。

炎天下の明るい場所、ブルーライトで目が疲れるは紫外線の関係らしいですがそれと同様っぽいのですがモニターのバックライトのLEDが強力な紫外線を出しているわけではなさそうなので、明るさによる眼筋疲労という認識で良いのではないかと思います。

モニターメーカーのEIZOでは、明るすぎる画面は疲れ目の要因となると書かれています。